第二関節の痛み・こわばりはありませんか?
~関節リウマチとは~
関節リウマチは、指や手首、肘、肩、膝、足首、足指などの関節に痛みやこわばりが生じて、次第に関節が変形してスムーズに動かせなくなってしまう病気です。
日本における関節リウマチの発症者は100万人以上とされ、特に30~50代の女性に多く見られます。
関節リウマチにおける治療は、現在は様々な内服薬や注射薬があるため、症状が解消して寛解することも可能です。そのためにも、早期発見と早期治療が非常に重要です。気になることがありましたら早めに当院までご相談ください。
比較的症状が起こりやすい場所
- 手関節
- 中手指節関節(手指の付け根にある関節)
- 近位指節関節(指先から2番目の関節)
まず片手に症状が現れ、その後もう片方の手にも症状が現れてくるケースが多くなっています。
関節リウマチの症状
関節リウマチは、以下のような症状があります。
- 服のボタンが外しにくい
- 靴ひも・リボンが結びにくい
- ハサミが使いにくい
- 家の鍵が開けにくい
- ドアノブが回せない
- 歯ブラシが持ちにくい
- コーヒーの蓋が開けにくい
- ホチキスが使いにくい
- お箸が使いにくい
- 朝の動作に違和感がある
- テレビのリモコンが押しづらい
症状が特に出やすいのが朝の起床時から30分間です。それから日中にかけて、また夜間は症状が落ち着きます。朝食の準備や朝の身支度などの際に、違和感や症状で発見することがあります。女性に多く見られるのも特徴です。主に、手指の第2関節に症状が出て、左右対称になりやすいとされています。一方で、単関節型といって左手小指だけ、右膝だけなどのように一カ所に症状が出ることもあります。
朝のこわばりに要注意
関節リウマチの症状は、「朝のこわばり」と呼ばれるように、朝起きた時に一番強くこわばり症状が現れます。関節が動かしにくく、指を動かそうとしても動かしにくい症状が出ます。また、手指だけではなく、手首、足首、膝、肩などの関節が動かしにくいと感じることもあります。また、朝だけではなく、長時間同じ姿勢などで関節を動かさずにいた際も「こわばり」が出ることがあります。
関節リウマチの検査
確定診断のための検査と、炎症の度合を調べて治療に繋げる検査、合併症の有無を調べる検査、薬剤治療の効果や副作用を調べる検査などがあります。検査内容は、以下の通りです。
血液検査
血液検査で免疫の状態を調べます。血液検査の数値によって、関節リウマチの可能性とその他の疾患の有無を確認します。
尿検査
尿検査は、関節リウマチの診断ではなく、ほかの疾患の有無や服薬の影響を調べるために行います。
X線検査
X線検査で関節の状態を診断します。また、関節進行度も調べます。
関節液検査
関節液を採取することで、白血球量や免疫細胞量を検査します。その他の疾患との区別も行います。
超音波検査
関節の炎症度合や腫れ症状を観察できる検査です。痛みや不快感がない初期段階における早期診断にも有効です。
関節リウマチの治療
関節リウマチは、早期段階で適切な治療を行うことで、症状改善の効果が期待できます。このため、関節リウマチと診断されたら、速やかに抗リウマチ薬・生物学的製剤などによる薬物治療を行います。以前までは、関節リウマチは完治できずに日常生活に大きな影響を及ぼし、寝たきりとなってしまうことがありましたが、現在は生物学的製剤による高い治療効果が期待できるようになりました。
一方で、自己免疫疾患である関節リウマチに使う薬剤は、免疫に影響を及ぼすため感染症になりやすいリスクがあります。さらに、抗リウマチ薬も高い治療効果がある反面、腎臓障害や肝臓障害を起こす恐れがあります。
当院で行う関節リウマチの治療では、薬剤の効果と副作用が起こる可能性や感染症リスクについて、ご本人やご家族に十分理解して頂けるように丁寧な診療を実施しております。関節リウマチの治療について、ご不明な点や心配なことがありましたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
抗リウマチ薬
- csDMARDs 免疫抑制薬/内服
- リウマトレックス・メトレート(メトトレキサート)
- プログラフ(タクロリムス)
- ブレディニン(ミゾリビン)
- アザルフィジンEN(サラゾスルファピリジン)
- ケアラム・コルベット(イグラチモド)
- リマチル(ブシラミン)
- tsDMARDs 分子標的薬(JAK阻害薬)/内服
- ゼルヤンツ(トファシチニブ)
生物学的製剤
- bDMARDs /注射
- エンブレル(エタネルセプト/TNFα阻害薬)
- ヒュミラ(アダリムマブ/TNFα阻害薬)
- シンポニー(ゴリムマブ/TNFα阻害薬)
- シムジア(セルトリズマブ/TNFα阻害薬)
- アクテムラ(トシリズマブ/抗IL-6受容体抗体)
- オレンシア(アバタセプト/T細胞活性化調節剤)
そのほかの薬剤
患者様の症状に応じて、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、ヒアルロン酸(関節内注射)、副腎皮質ステロイド(内服や関節内注射)などを行います。